復興支援

平成23年3月11日の東日本大震災発生から6年。

復興に向けて明るいニュースが次々と聞かれるようになってきた一方で、被災地では今なお遅々として進まない「復興」の現実があります。


岩手県飲食業生活衛生同業組合では、東日本大震災が発生した平成23年から、組合員である被災営業者の支援ならびに被災地、被災者支援のための事業を行っています。


私たち一人ひとりが被災地の声に耳や心を傾けていくことで、先の長い「復興」に取り組んでいる被災地・被災者への支援となり、風化を防ぐ助けとなります。


岩手県飲食業生活衛生同業組合は、今年度も被災地の現状を共有・発信していきたいと思います。

沿岸飲食業の今日と未来

山田支部 支部長:横田 博安さん

共助の精神と共に

 山田町は津波と火災により壊滅的な被害を受けました。発災から6年が経過し、駅前地区などの嵩上げがほぼ完了したものの、最近になって嵩上げ工事が始まった地域もあります。組合員の約半数のお店は年内を目処に、嵩上げが完了した地域へ賃貸で入居したり、自力建築しお店を開くと聞いていますが、半数はまだ決まっていないようです。そうした中でも、現在は工事関係者や内陸から訪問された方、あるいは被災地を見にきてくれた多くの方々が組合員のお店を利用してくれています。山田支部は県内各支部の中でも歴史は古く、これまで組合主導で様々な活動を行ってきました。「はしご酒イベント」の実施や、自治体の会合・お祭りでの食事は組合を通じての発注をお願いし、組合が分担して提供するなど組合の結束力は強いものと思っています。復興は道半ばですが、こうした「共助」の精神と共に、お店を利用してくれるお客様に、本当の満足を与え、応えていく責任があると思っています。目の前に素晴らしい山田湾が広がる地域で、「自分たちの街は自分たちが守り、育てていく」というプラス思考で、組合員共々頑張っていきたいと思います。山田には新鮮で美味しい魚介類と、心あるおもてなし、助け合う心が息づいています。ぜひ、山田町に来て美味しいものを食べ、その心に触れて頂ければと思います。

横田 博安さん

山田支部:横田 博安よこた ひろやすさん

盛支部 支部長:水野 清孝さん

地域の活性化

 大船渡市の盛支部組合員は、幸いにも震災被災による店舗流失から免れたため、従前からの場所で営業を行っています。ただ、残念なことは街の環境変化に伴い組合員数は暫減状態にあることです。今後、大船渡市の新市街地形成も進み、賑わいも戻って来るに従い、盛地区の活性化を推進することにより相乗効果も増して来ることと思います。組合では、これまで通りに懇親や情報の交換を含め、盛地区の飲食業界の健全なる発展とレベル向上を目指し、切瑳琢磨し、励まし合い、絆を強め、努力をして参ります。交流を深めることにより経営に寄与する新たな発見もあるものと思います。飲食店を新たに始められた方や未加入の方にも、組合活動をご理解いただき、ぜひとも参画いただきたいと思います。そして、一人でも多くの方々が盛地区の発展・各店の繁栄などについて考え、地域の活性化への足がかりとなっていって欲しいと思います。

水野 清孝さん

盛支部:水野 清孝みずの きよたかさん

釜石支部 支部長:平松 正浩さん

数は力になる

 震災時、甚大な被害を出した中心市街地は発災6年を経過した現在、徐々に復興が進み、街は落ち着きと活気を取り戻しつつあります。港や道路整備、2019年開催のラグビーワールドカップ・競技場建設などの工事需要も引き続き認められ、工事関係者の滞在も多くなっています。30年3月末には仮設店舗が終了となることから、組合員によっては既に本設へ移転し新たなスタートを切ったお店もあり、さらには、飲食業を始めた方々に新規組合員になって頂く例も出ています。反面、仮設店舗の打ち切りによりお店を辞め組合を退会する方も出ることが懸念されるため、一層の組合員増強が望まれます。飲食組合、旅館ホテル組合等も含め、各組合では連携しワールドカップ・インバウンド対策を強化しており、英語対応のガイドブック・メニュー表の制作や勉強会等にも積極的に取組んでいます。「数は力」にもなることから、多くの若い方々に組合活動を理解して頂き、勉強会や懇親とともに情報共有を図り、「明るい未来が待っている街づくり」を目指して皆とともに頑張って行きたいです。

平松 正浩さん

釜石支部:平松 正浩ひらまつ まさひろさん

陸前高田支部 支部長:佐々木 浩さん

絆輝く街

 発災6年を経過し街全体が流失するなど壊滅的な被害を被った陸前高田市は、やっと嵩上げ工事が佳境に入ってまいりました。25軒の組合員が仮設店舗での営業を継続する中、自力で本設し、移転したお店が2軒、来春迄の本設移転を目指して動き出しているお店が陸丸を含め6軒ほどあります。市による本設賃貸店舗建設の見通しもつかないことから、民間進出で賃貸可能な平屋店舗や飲食ビルの建設が進めば、多くの組合員が早く仮設から移転できるのではないかと考えています。こうした大変な状況にあるものの、自信を持って言えるのは「陸前高田には美味しいものが沢山ある」「それぞれのお店がクオリティを守り、美味しいものを提供している」ということです。今後は、域外からの様々な産業の入り込みも重要で、そういった方々とも連携し、共に新たな「絆輝く」街をつくっていきたいと思います。ぜひ、陸前高田の飲食店を訪ねてみてください。

佐々木 浩さん

陸前高田支部:佐々木 浩ささき ひろしさん

宮古支部 支部長:柳沢 順さん

宮古に灯りをともす

 宮古の支部組合員は、2011東日本大震災、2016台風10号の市街地浸水被害と5年の間に2度も、これ迄経験したことの無い大きな被害に遭遇致しました。やっと初めの被災から立ち上がり、軌道にのり始めた後の災害は非情ともいえるものでした。しかしながら、三陸の海は暖流・寒流が交差し、多種多様な魚介類が生息し、「豊穣の恵みの海」ともなっています。こうした恵まれた環境で、腕を振るい新鮮で美味しい料理を提供し、お客様から「笑顔」や「美味しい」のひと言をいただくことが再び立ち上がる力となっています。支部組合員はこうした思いで「おもてなし」をさせていただいております。来年からは北海道との新たな航路開設もあり、より良い宮古を作り上げるため、一人ひとりが「宮古に灯りをともす」存在であるよう頑張って参ります。宮古の支部組合員飲食店へのお立寄をお待ちしています。

佐々木 浩さん

宮古支部:柳沢 順やなぎさわ じゅんさん

平成28年度東日本大震災被災組合員営業状況

東日本大震災被災組合員の営業状況として、現状況と今後の意向、課題などを支部ごとに調査しました。

詳細は下記リンクからPDF資料をご確認ください。

 平成28年度東日本大震災被災組合員営業状況まとめ

平成27年度東日本大震災被災組合員営業状況

東日本大震災被災組合員の営業状況として、現状況と今後の意向、課題などを支部ごとに調査しました。

詳細は下記リンクからPDF資料をご確認ください。

 平成27年度東日本大震災被災組合員営業状況まとめ

被災地からの声

岩手県飲食業生活衛生同業組合では、平成26年度、被災地の現状の聞き取りを行いました。その中の一部をご紹介します。

  • こちらは現在準備中です。

組合の支援事業

岩手県飲食業生活衛生同業組合では、平成23年度から被災営業者の支援ならびに被災地・被災者支援のための事業を行っています。

平成28年度
平成28年東日本大震災被災組合員支援事業
内容
ホームページを活用した情報発信強化
①組合HPの活用方法 ②HPの操作方法の講習会
-  岩手良飲良食ナビ  -
沿岸版復興マップの作成
被災組合員の店を紹介した沿岸版「良飲良食」を3,700部作成し、ホテル、旅館等宿泊施設に常備、広域に亘って来街者へアピールした。
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平成27年度
平成27年東日本大震災被災組合員支援事業
内容
岩手県飲食業生活衛生同業組合のホームページ作成
組合の活動・支援事業に関する情報の共有と提示を行う場としてホームページを作成(当ページ)
組合員の店舗を検索できるウェブサービスを展開
沿岸の組合員の店舗情報を一般の方に周知・認知できるよう組合員の店舗情報を集約したウェブサービス「岩手良飲良食ナビ」を展開。
-  岩手良飲良食ナビ  -
沿岸店舗紹介ガイドブック「良飲良食-沿岸版」を作成
岩手国体に向けて、沿岸の店舗を紹介するガイドブック「良飲良食-沿岸版」を作成し、全3,000部を各宿泊施設等に設置。
「良飲良食-沿岸版」をみる
平成26年度
平成26年東日本大震災被災組合員支援事業
内容
業務用軽ワゴン車の共同利用
軽ワゴン車3台を組合でレンタルし、陸前高田支部で2台、山田支部で1台共同利用した。
復興BOXティッシュを配置し、被災地の来客者に衛生面でのアドバイス等を行う
沿岸7支部170店舗に計21,200個の復興支援BOXティッシュを配置しました。
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平成25年度
平成25年東日本大震災被災組合員支援事業
内容
業務用軽ワゴン車の共同利用
軽ワゴン車3台を組合でレンタルし、陸前高田支部で2台、山田支部で1台共同利用した。
組合員証の作成・配布
200枚作成:沿岸支部組合員に配布
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平成24年度
平成24年東日本大震災被災組合員支援事業
内容
被災組合員支援事業
被災組合員の現状把握/「暮らし再建・なりわい再生プロジェクト」への参加/業務用軽ワゴン車の共同利用
長期的視野での後継者育成事業/子どもたちに夢と希望を与える笑顔プロジェクト
被災地の学校で子供たちを対象に調理実習を行ない、長期的視野での後継者育成と産業の復興につなげる
孤独防止・地域コミュニティ再生支援事業
仮設住宅、地域の集会場等で地域のイベントと合わせ、食事を提供する(3回)テントをリースし、被災住民の憩いの場、お休み処、交流の場として活用する。
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平成23年度
平成23年東日本大震災被災組合員支援事業
内容
被災地への弁当 宅配事業支援
軽ワゴン車3台を組合がレンタルし、被災地で営業を再開した組合員に貸付け、多くの仮設住宅で生活する高齢者の食事作り困難者に対してお弁当宅配サービス事業の支援実施。
被災者対象の炊き出し事業実施
組合において準備した調理機材等を利用し、被災地において被災組合員を中心に炊き出しを行い、支援の手の届かない小さな地域を中心に被災者に食事を提供した。
被災地で、被災組合員との懇談実施
組合執行部が中心になり被災地を訪れ、現状・支援要望など、聞き取りを実施。
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